| 「環境技術」2006年5月号:特集のねらい2 廃棄物の処理・処分と環境修復 菅原正孝 (大阪産業大学) 廃棄物の処理・処分が不適正であるために社会問題となるケースが後を絶ちません。とくに1990年代以降こうした事柄がマスコミ等で大々的に取り上げられるケースが相次いでいます。しかしそれがその後どういった経緯を辿っているのかについては、折に触れ報道されることがあってもまとまった形で一般の目に触れることはほとんどないと思われます。 本特集では全国的に大きく注目された3事例を取り上げ、問題の背景から今日に至る対策までを担当機関の方々にご執筆頂きました。そのうちの2例は産業廃棄物の不法投棄関連であり、もう1つは一般廃棄物の焼却施設に関連しています。いずれの場合も現状の回復・改善を伴う環境修復及び汚染物の排除・浄化に関して対策がとられていますが、まだ、その途中段階であり、課題もいくつか抱えながらの対策事業となっているなかで企画しました。 廃棄物の処理・処分というとダイオキシン問題は避けて通れませんが、今回の事例においてもそのことが窺われます。そこで、廃棄物の処理・処分におけるダイオキシンの由来について簡単に触れておく必要があると思われますが、産業廃棄物、一般廃棄物を問わず、廃棄物にもともと含まれていなくても、廃棄物中の含有成分によっては、その焼却過程において発生しやすいことが確認されています。そして結果的に、焼却灰や排出ガス、排出水等を通じて環境中へと出て行くことになります。 ここで取り扱った「青森・岩手県境不法投棄」「香川県豊島不法投棄」のいずれの埋め立て現場においてもダイオキシンが大なり小なり問題となるのは、埋め立て処分された産業廃棄物の中に焼却灰が含まれていることによります。また、焼却施設周辺の土壌が汚染されていた「大阪府能勢郡美化センター」の場合は、汚染の程度がきわめて高く一躍全国的に有名になりましたが、程度の差はあっても全国の多くの焼却施設に見られたことであります。 汚染物の分解・除去、環境修復については、3事例ともさまざまな技術を用いており、技術的な観点からの関心の度合いも高いものと思われます。しかし、この点については、本特集では詳細に触れていません。関心をお持ちの方は、本誌「環境技術」の2004年8月号、2005年2月号、2006年2月号、3月号に関連する技術情報が掲載されていますので参照して頂ければ幸いです。 さて、現在では、住民の意識も高くなり、関連の法令が整備され、また焼却過程におけるダイオキシンの生成を抑制する運転管理や除去システムがほぼ完成されてきていますので今後はこの種の問題は新たに起こることは少なくなるものと考えられます.もちろん一方モニタリングを始めとする環境管理を充実させるなど、十二分に目配りしていく体制は欠かせないものと考えます。 さいごに様々な対策過程にある中でご執筆くださいました各機関に御礼申し上げます. →TOP |