「環境技術」2017年6月号 記事情報

掲載年 2017
巻(Vol.) 46
号(No.) 6
304 - 310
記事種類 特集
記事タイトル ドイツの廃棄物処理の動向―循環経済・廃棄物法と包装政令の動きを中心に―
著 者 喜多川和典
第1著者ヨミ KITAGAWA
第1著者所属 (公財)日本生産性本部
要 旨 1.はじめに
1994年に制定され1996年10月に施行,その後,2012年に改正された「ドイツの廃棄物の回避,利用及び処分に関する法律」(Gesetz zur Forderungder Kreislaufwirtschaft und Sicherung derumnweltvertraglichen Beseitigung von Abfallen以下,循環経済法とする)は,廃棄物政策の重点を従来の「処理」から「物質循環の促進」へと移行することにより,環境と調和した廃棄物処理を確保し,資源・エネルギーの効果的削減,廃棄の少ない製品の開発,消費と製造のシステム全体を循環経済へと発展させることを目指している.
この法律では,拡大生産者責任が明記され,廃棄物概念を拡大させ,より多くの物質が廃棄物として認められるようになり,廃棄物管理の優先順位に基づき,製造から消費までの全プロセスにおいて,廃棄物の発生回避,材料リサイクル及びエネルギー利用に積極的に取り組む,環境配慮した処理の推進を定めている.しかし,このような廃棄物フィールドでの改革には,関係者同士の利害に伴う様々な軋轢が生じる.同法成立後,廃棄物分野の民営化が進み,リサイクルの拡大と民営化はほぼ同義語とさえ捉えられてきた.しかし,同法の2012年改正を機に,民営化の動きを阻止する自治体からの反撃が顕在化した.この問題は今もくすぶり続けている.
循環型社会を形成する際,廃棄物分野の規制緩和,脱公営・民営化の道は避けて通れぬ道であるがこれをいかに乗り越えるかを考える上で,今ドイツで起こっている先行事例から学ぶことは多いものと思える.
キーワード:ドイツ,リサイクル制度,循環経済廃棄物法,拡大生産者責任,民営化
特集タイトル 海外の廃棄物処理の動向
特集のねらい