「環境技術」2017年6月号 記事情報

掲載年 2017
巻(Vol.) 46
号(No.) 6
330 - 335
記事種類 解説
記事タイトル のろしの実像と歴史―中世を中心にしたのろしの実像―(後編)
著 者 加藤進、ギヨーム・ルマニヨン
第1著者ヨミ KATO
第1著者所属 三重大学伊賀サテライト伊賀研究拠点
要 旨 6.烽火はどこまで見えるのか?
6.1 烽火と視程
烽火はどの程度の距離から確認ができたのであろうか? 過去の大気環境は現在と異なり,残念ながらその再現は不可能である.簡便で誰でもできる大気質の評価指標として視程(Visibility)がある.視程はいわば一定距離の中にある大気汚染質の総合的な評価法の一つで,視程が低ければ何らかの要因で,大気汚染が起こり,視程が高ければ,大気環境が良好であることに対応する.もちろん,これ以外に天候に左右される.
図3は,昭和12年の視程のBoxplot(伊賀市)である(14時のメディアンは第一四分数に一致)20).年間の傾向を見ると,朝は低く(場合によっては霧の影響でゼロの時も存在),昼間になると改善し,メディアンが5〜7q,最大値は8qであった.したがって,伊賀の場合は最大でも10qを一つの「見える・見えない」の閾値と仮定できる.伊賀拠点で発煙筒(白色,3分型)をあげて,500m 地点と1.8q地点で観測すると,目視でも明瞭に確認が可能であった.鎌刃城跡(米原市番場)からみた烽火リレー時に筆者が目視と写真で確認した煙の状況は,澤和山城跡(4.5q)では明瞭に烽火が確認できた(平成27年と28年11月23日).さらに,伊吹山中腹にある弥高寺遺跡(12q)からの煙も写真7(平成28年11月)の点線で示すように直径数ミリの状態で確認が可能であった.(以下略)
キーワード:のろし,材料,動物糞,可視範囲
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