「環境技術」2017年10月号 記事情報

掲載年 2017
巻(Vol.) 46
号(No.) 10
512 - 517
記事種類 特集
記事タイトル 海辺の環境配慮型構造物の現状と課題
著 者 上月康則、中西 敬、大谷壮介
第1著者ヨミ KOZUKI
第1著者所属 徳島大学
要 旨 1.はじめに
内山1)によると「折り合う」という言葉は,昔は「居り合う」と書いたらしい.「環境配慮」をよくいい表している言葉でもあるので,少々長くなるが,引用してみる.
「折り合うと書けば,双方が折れ合う,つまり妥協するという意味になるが居り合うなら,どちらもが居られるようにする,ということになる.伝統的な,日本の社会は居り合うを大事にしてきた.根本には,自然と人間の居りあいを通して,社会をつくりだしてきた歴史があったからであろう」2).
ここで,環境配慮の「配慮」についての意味を辞書で調べると,概ね“心づかい,他人や他のことのために気を使うこと”とある.海辺の環境配慮構造物とは,人が海辺の生き物に気を遣い,生き物と人とが「居り合う」ための構造物と言え,その目標は,「本来そこにいた全ての生き物と居り合えること」である.しかし,実際の直立型構造物の生物相をみると,以前そこは砂浜や干潟であって,生息していたであろう魚やカニなどの姿は今は見られず,全く「配慮」がなされていなかったことがわかる.
 本稿では,「配慮」とは何かを技術に加え,制度的,費用的な面も踏まえ概観する.具体的には,まず構造物の配慮のポイントの概要を,次に環境配慮の課題に着目し,これからの配慮の在り方について述べる.
キーワード:環境配慮,海への恩返し
特集タイトル 浅場機能の復元・再生・創出を目指した環境配慮型構造物
特集のねらい