「環境技術」2018年1月号 記事情報

掲載年 2018
巻(Vol.) 47
号(No.) 1
41 - 46
記事種類 特集
記事タイトル 放射性物質に汚染された廃棄物の処理の現状
―原発事故から7年目を迎えて―
著 者 黒川陽一郎
第1著者ヨミ KUROKAWA
第1著者所属 環境省環境再生・資源循環局放射性物質汚染廃棄物対策室
要 旨 1.はじめに
 東日本大震災が発生してから,まもなく7年が経過する.地震・津波による被災に関しては,インフラの復旧はほぼ終了し,住まいの再建や生業の再生も着実に進展している.しかし,東京電力福島第一原子力発電所の事故による影響については,原子炉の廃炉,避難者の支援・帰還など,なお数多くの困難な課題が残されている.
 その中で環境省が担当しているのが,事故によって放出された放射性物質による環境の汚染への対応である.この「放射性物質による環境の汚染への対応」は,@土壌等の除染等の措置等,A汚染廃棄物の処理に大きく二分され,前者についても重要な進展と多くの残された課題がありぜひ読者の皆様にお伝えしたいところではあるが,本稿では筆者の職務の範囲である後者の汚染廃棄物の処理に絞って,その現状と課題を述べることとしたい.
 本稿で筆者が主に述べたいのは2点.1点目は放射性物質を含む廃棄物であっても安全に処理できるという技術的な知見について,2点目はそういう知見があってもなお処理がなかなか進まないという現実についてである.
 原発事故による汚染への対応について,残念ながら国民の関心は薄く,また環境問題に関心のある方であっても「難しそうな問題で(政府の言うことが正しいのかどうかも含めて)よくわからない」という意見が多いのではないだろうか.
 様々な意見の対立のあるこの問題ではあるが,まずは,現場で何が起きているかという事実関係と,政府が何を考え,何をしようとしているのかを正確に知っていただく(それに納得するかどうかはともかく)ことが重要と考え,筆をとっている.
 なお,本稿中,事実関係以外の意見に関わる部分は,すべて筆者の私見である.
キーワード:放射性物質,指定廃棄物,放射性物質汚染対処特措法,各都道府県内処理,長期管理施設
特集タイトル 2018年 環境行政展望
特集のねらい