「環境技術」2018年4月号 記事情報

掲載年 2018
巻(Vol.) 47
号(No.) 4
226 - 227
記事種類 コラム
記事タイトル 再生可能エネルギーの現実と世界(3)九電ショック
著 者 本庄孝子
第1著者ヨミ HONJO
第1著者所属
要 旨 1.電力における再エネ率
 パリ協定では締結を契機に200ヵ国に近い国々が化石燃料等から出る温暖化ガスの削減率を国連に提出した.この解決には再生可能エネルギー(以後,再エネ)の活用が注目されており,昨年度の世界における新規発電所の2/3は再エネ施設だった.世界はビジネスチャンスとして再エネに取り組んでいる.ここでは再エネの今を紹介したい.
 我が国は2012年7月,再エネによる発電について,固定価格買取制度(FIT 制度)を発足させた.固定価格で20年間買い取る制度はとても魅力的な制度と言える.
 太陽光発電装置の価格低下に伴い太陽光発電の導入が爆発的に増して,買取価格の引き下げが数回なされた.10kW 以上では当初42円/kWh が2018年は半分以下の(18円+税)/kWh である.他の再エネの買取価格はあまり変化をしていないが,導入の伸びは小さい.
 我が国は1999〜2005年頃まで太陽光発電が世界一であった.ところがそれまで続けていた太陽光発電設備への補助を2005年に打ち切った.2005年から2008年までが太陽光発電の暗黒時代といえる.一方,電力会社は,2008年まで,個々の発電所から余剰電力を自主買い取りしていた.2009年に太陽光の余剰電力買取制度が始まった.我が国の再生可能エネルギー設備容量の推移を図11)に示す(ただし大型水力を除く).
 再エネ設備容量は2012〜2014年の年平均伸び率が33%と大きい.それでも2014年の設備容量はFIT 制度導入前の2,060万kW の約2倍である2).
 我が国の発電において,大型水力を含む再エネの割合の推移を図2に示す.2014年の再エネ発電は12.2%,その内大型水力以外が2.3%である.図2から,2012年の大型水力以外は1.6%なのでこの間0.7%増えたに過ぎない.我が国の再エネ電力は大型水力発電が大部分を占め,再エネ電力の割合は10%前後であまり変化がないのもこれまでの特徴である.
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