「環境技術」2018年3月号 記事情報

掲載年 2018
巻(Vol.) 47
号(No.) 3
116 - 121
記事種類 特集
記事タイトル 人口減少社会における上下水道事業
著 者 細井由彦
第1著者ヨミ HOSOI
第1著者所属 鳥取大学
要 旨 1.はじめに
 ―我が国の上下水道事業の現状―我が国の水道普及率は97.9%(平成27年度)に達しており,普及から維持管理の時代に入って久しい.汚水処理人口普及率は90.4%(平成28年度)である.人口100万人以上の自治体においてはほぼ100%であるのに対し,人口規模が小さくなるほど普及率は下がり,5万人未満のところでは78.3%になっている.
 水道事業の投資額は戦後上昇を続け,昭和50年頃と平成8年頃の2度のピーク期を経て現在に至っている.水道管路の総延長は67万qに達し,40年以上経つ管路の経年化率は13.6%であり毎年1〜1.5%のペースで増加している.これに対し管路の更新率は0.7%程度であり,老朽化への対応は遅れている.
 下水道事業においても,管路,処理場・ポンプ場ともに整備は増え続け平成10年頃にピークを迎え,その後減少している.管路総延長は47万q,そのうち50年以上経過した管は約1.3万qで,今後急増すると予想されている.処理場は約2,200ヵ所で,15年以上経過したところが1,600ヵ所となっている.
 このように,上下水道事業いずれにおいても,1970年代から1990年代に多くの投資が行われて整備が進み,高い普及率になっているが,今後それらの老朽化が急速に進み更新の必要性が高まってくる.そのような中で,人口の減少が続き,利用者の減少,ひいては料金収入の減少が危惧され,厳しい経営環境にさらされることが予想される.
 ここでは,人口減少が進む中で上下水道事業を維持していく上での課題について述べる.筆者の私見によるところが多く,引用資料等に偏りがあることはご容赦いただきたい.
特集タイトル 人口減少時代の上下水道
特集のねらい