「環境技術」2018年3月号 記事情報

掲載年 2018
巻(Vol.) 47
号(No.) 3
127 - 132
記事種類 特集
記事タイトル これからの水道の災害危機管理
著 者 平山修久
第1著者ヨミ HIRAYAMA
第1著者所属 名古屋大学減災連携研究センター
要 旨 1.はじめに
 1995年阪神・淡路大震災以降,2004年新潟県中越地震,2011年東日本大震災,2016年熊本地震,2016年鳥取県中部を震源とする地震,あるいは2017年6月30日からの梅雨前線に伴う大雨および台風第3号による2017年7月九州北部豪雨災害,2016年1月23日からの大雪など,水道システムに影響が生じるような自然災害が全国各地で頻発してきている.図1に示すように,気象庁のデータによると,1時間80o以上の集中豪雨の10年ごとの平均年間発生回数は,1976〜1985年では10.7回であったものが,2006〜2015年では18.0回と増加している.
 我が国の水道システムは,高度成長期を経て高度に整備され,その普及率は97.8%に達し,いつでもどこでも安全で安定な水道の供給を実現してきている.水道事業体は,災害時にその施設が被災した場合においても,市民の生活の維持に必要不可欠な水を供給することが,地域防災計画において定められている1).一方,災害の進化とともに,水道システムや都市が高度化,複雑化してきており,災害の様相も複雑,急激かつ広域なものとなり,新たな課題が生じてきている.災害の進化のみならず,人口減少社会の到来,気候変動,都市インフラや地域経済社会の変革などの水道を取り巻く外部環境,さらに,水道施設やシステムの更新や高度化,組織の改編等の事業環境変化といった水道事業の内部環境がともに大きく変化してきている.1995年阪神・淡路大震災から23年が経過し,災害の進化とともに,外部環境・内部環境の変化を鑑みた水道事業の災害対策や危機管理が求められてきている.本稿では,1995年阪神・淡路大震災以後の防災から減災,2011年東日本大震災,2016年熊本地震での課題を提示し,災害レジリエントと事業継続の視点から,これからの我が国の水道の災害対策や危機管理のあり方について論述する.
キーワード:災害対策,危機管理,事業継続,災害レジリエント
特集タイトル 人口減少時代の上下水道
特集のねらい