「環境技術」2018年3月号 記事情報

掲載年 2018
巻(Vol.) 47
号(No.) 3
162 - 163
記事種類 コラム
記事タイトル 再生可能エネルギーの現実と世界
   (2)ドイツの再生可能エネルギー政策は第2段階に入る
著 者 本庄孝子
第1著者ヨミ HONJO
第1著者所属 元産業技術総合研究所関西センター
要 旨 1.はじめに
 ドイツは再生可能エネルギー(以下,再エネ)活用の優等生だったが,FIT 制度(固定価格買取制度)導入で賦課金が値上がりしすぎて,電気代が上がり,企業が外国に逃げて,ドイツは失敗したとの評価が流れていた.だが本当にそうだろうか.実際にドイツに行って調査した京都大学の諸富徹教授1, 2)と和歌山大学の和田武客員教授3)の講演を参考に考えてみたい.
  ドイツは1991 年に買取制度を導入し,2000 年にFIT 制度を義務付け,現在の形に近い再生可能エネルギー法ができた.
 EUにおいては,2009 年の再エネ推進EU 司令28の16 条に,再エネ電力をグリッドに優先接続,送電・給電させる等の義務となった4).同年ドイツの再生可能エネルギー法(EEG)の規定で,グリッド管理者は「直ちに,かつ優先的に」再エネから利用可能な電力の全てを購入・送電,配電しなければならない.このように再エネに優先順位が与えられた4).
 EU では数年前からベースロード電源という概念をなくし,変動する再エネ電力に合わせて火力発電等で補佐するようになった.参考に2016 年12 月24日から26日の電力需要を図15)に示す.バイオマス,水力,風力と太陽光発電がメインになっている.その上に可燃性廃棄物,従来型火力発電量が続く. ドイツは現在,FIT 制度を導入してから17 年たっており,十分に再エネ導入が進み,関連産業が成長したので,次のステップに向かっているといえる.ドイツの再エネ増加は着実に進展し,再エネ電力は2000 年の6.2%から2015 年の30.1%へと確実に増加した.買取制度の導入によって,@関連投資の増大,A雇用増大,B電力価格の低下による生産費低下,C電力輸出の増加など,ドイツ経済に多くの恩恵をもたらした.そして2014 年に再エネ法の改正で再エネ政策の「市場化」によって費用膨張をコントロールしつつ再エネ拡大を図る手段を確立した.
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