「環境技術」2020年3号 記事情報

掲載年 2020
巻(Vol.) 49
号(No.) 3
120 - 123
記事種類 特集
記事タイトル メガソーラーの山林・山間への設置はなぜ起きているか―政策の問題と解決の方向―
著 者 河野 仁
第1著者ヨミ KONO
第1著者所属 兵庫県立大学名誉教授
要 旨 1.はじめに
 筆者は,PM2.5,オゾン,酸性霧・雨,温室効果ガスによる地球温暖化,原発事故による放射能汚染に関する研究や教育に長年携わってきた.これらの大気環境問題の解決のためには,化石燃料や原発に代わる風力,太陽光,水力,地熱,バイオマス等の再生可能エネルギー(再エネと略す)(自然エネルギーとも呼ばれる)の本格的な推進が必要だと考えている.日本の再エネ導入量は全体としてヨーロッパ諸国と比べると大きく立ち遅れている.また,事業用太陽光発電量だけが突出するいびつな現象が生じており,それによる深刻な景観問題,自然環境破壊が生じている1).この問題を解決するためには,風力,太陽光,水力,地熱,バイオマス間のバランスの取れた積極的な再エネ推進政策と同時に,環境対策の視点からこれら分散型エネルギーの配置,設置条件に関する法による規制の両方が必要である.さらに,これらのローカルエネルギーが地域に受け入れられるためには,ただ単に地球環境に優しいというだけでなく,デンマークのように地域住民に経済的利益をもたらすような法的な支え(Suzuki Kenji Stefan,2020)2)と,その配置計画へ地方自治体と住民が参加する仕組み作りが必要である.本論では,近年のメガソーラーの山林・山間への大量の設置1)がなぜ生じているか,その背景にある日本の再エネ政策とその問題について考察するとともに解決の方向性について論じる.
キーワード:メガソーラー,山林,景観,自然保護,政策
特集タイトル メガソーラーの山林・山間への設置と自然保護
特集のねらい