掲載年 |
2020 |
巻(Vol.) |
49
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号(No.) |
3
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頁 |
168 - 172 |
記事種類 |
講座
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記事タイトル |
環境の分析技術・データ解析・モデル化講座 U.環境のデータ解析・モデル化 環境データの統計解析 |
著 者 |
片谷教孝 |
第1著者ヨミ |
KATATANI |
第1著者所属 |
桜美林大学 |
要 旨 |
1.はじめに 環境問題の深刻化や,それに対する関心の高まりに伴い,さまざまな環境測定や調査が行われるようになって,既に数十年の年月が経過している.環境測定は1箇所で1回行って終わることはあり得ず,多数の箇所で多数回繰り返して行われることが一般的であり,それだけ多くのデータが測定結果として残ることになる.その量は膨大であり,たとえば筆者の専門分野である大気環境では,主に都道府県市が設置している大気常時監視システムの測定局が全国に1,800箇所以上あって,年間8,760時間分の測定データが毎年蓄積されているので,昨今の用語でいえばビッグデータに相当するレベルに十分達している. そのような膨大なデータを国民が一つ一つ見ることは現実的ではないため,全体的な傾向を把握したり,注意すべき変動の有無を検出したりするために行われるのが,統計解析とか統計データ解析とか呼ばれている作業である.この例に限らず,環境測定データ(以下「環境データ」とよぶ)と統計解析とは極めて密接な関係にあり,統計解析があって初めて環境データが有効に活用されていると言っても過言ではない その統計解析の基盤となっているのが統計学であり,統計学は環境データの有効活用を担うツールを提供している存在ということもできる. 本稿では,まず統計学とは何か,なぜ統計学を難しいと感じる方が多いのかについて述べる.次いで,環境データの統計解析を行う際に起こりやすい誤りの例を紹介する.次いで環境データの精度管理について述べ,精度・真度の重要性について解説する.… |
特集タイトル |
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特集のねらい |
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