「環境技術」2021年2号 記事情報

掲載年 2021
巻(Vol.) 50
号(No.) 2
109 - 
記事種類 講座
記事タイトル 環境の分析技術・データ解析・モデル化
 U.環境のデータ解析・モデル化+R,Rコマンダー,RStudioを用いたデータの可視化と統計プログラミング
著 者 三中信宏
第1著者ヨミ MISAKA
第1著者所属 農研機構 農業環境変動研究センター 
要 旨 1.はじめに―統計学を教える立場から―
 私の勤務先は農業・食品産業技術総合研究機構という国立研究開発法人に属しており,農林水産試験研究に関わる統計データ解析が私の本務である.農林水産試験研究ではさまざまな環境要因の影響下での野外実験あるいは室内実験を実施し,得られたデータに基づいて当該要因の効果を検証する実験が多い.その際,どのような統計手法あるいは統計モデリングを適用すればいいのかは大きな問題となる.
 しかし,残念なことに,そのために必要となる研究員や学生側の統計学の基礎知識はあまり習得されてはいないのが実情だ.少なくとも農学系あるいは生物学系の大学では,統計学に関する講義や実習はカリキュラム的に必ずしも十分とはいえないようだ.私は国・都道府県の試験研究機関からの統計分析に関する質問や問い合わせに対応するコンサルティング業務をするかたわら,要請があれば全国各地に出張して統計研修の講師を引き受けてきた.また,国公私立大学に出講して生物統計学の講義を担当する機会も少なくない.
 統計学は知識として学習するだけでは身に付かない.学習者が実際にデータを自分の手で扱うことにより,統計学の実践的技法を体得することができるだろう.かつての時代とはちがって,現代では統計分析を実践するためのさまざまな洗練されたソフトウェアが流通している.ユーザーがそれらのツールをうまく使いこなすことにより,単にめんどうな統計計算をすばやくこなすのに熟達するだけではなく,その背後にある統計学の思想的潮流にも触れることができれば一石二鳥にちがいない.以下では,知識としての統計学と実践としての統計データ解析を融合するため,私が近年行っている統計学教育について紹介しよう.具体的には,プログラミング環境であるRStudio から統計言語R を起動し,さらにR のグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)パッケージであるR コマンダー(Rcmdr)を併用する.実例データとしては環境要因を統制した圃場実験の事例を挙げる.
キーワード:R,Rコマンダー、RStudio、可視化、統計解析
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