「環境技術」2021年3号 記事情報

掲載年 2021
巻(Vol.) 50
号(No.) 3
126 - 131
記事種類 特集
記事タイトル 瀬戸内海における生態系サービスの価値
著 者 仲上健一
第1著者ヨミ NAKAGAMI
第1著者所属 立命館大学
要 旨 1.はじめに
 生態系サービスの概念は,人間が自然を畏敬する思想を反映した伝統的な精神的規範である.Ehrlich, P. R. and A. Ehrlich は1981年には著書において自然の機能の社会的価値に関する研究を基礎に生態系サービスの概念を科学的に提唱した1).Robert Costanza らが1997年5月NATUREVol.387の論文「The Value of the World'sEcosystem Services and Natural Capital」において,沿岸海域の生態系サービスの経済的価値を12,568$/y×109と推定し,地球全体の生態系サービスの33,288$/y×109の37.8%と推計値を示した2).この大胆に地球の生態系サービスの推計値を示すという偉業は生態系サービスにおける社会科学的研究の嚆矢となったといえよう.生態系サービス測定の前史として,環境の経済的価値を測定する意欲的研究は,世界各国で行われ,瀬戸内海においても多くの推定が実施されてきた.TEEB(生態系と生物多様性の経済学)による生態系サービスが規定され,改めて瀬戸内海の生態系サービスを推計することは,瀬戸内海保全政策への新たなる示唆となるであろう.
キーワード:瀬戸内海,生態系サービス,Costanza,TEEB,サステイナビリティ評価
特集タイトル <持続可能な瀬戸内海は実現できるか>
特集のねらい