「環境技術」2021年3号 記事情報

掲載年 2021
巻(Vol.) 50
号(No.) 3
132 - 136
記事種類 特集
記事タイトル きれいで,豊かで,賑わいのある持続可能な瀬戸内海の実現可能性―富栄養化・貧栄養化ヒステリシスから見えてくる将来像―
著 者 柳 哲雄
第1著者ヨミ YANAGI
第1著者所属 九州大学名誉教授
要 旨 1.はじめに
 1960―1970年代の瀬戸内海は,赤潮の頻発,天然・養殖魚の大量死,奇形魚の発生などに悩まされ,一時は「瀕死の海」と呼ばれた(星野,1972)1).1973年の瀬戸内海環境保全臨時措置法(5年後に特別措置法に改正:以後瀬戸内法)の施行により,埋め立ての原則禁止・陸上からの有機物負荷の半減,その後TP(全リン)・TN(全窒素)負荷の総量削減が図られ,瀬戸内海の赤潮発生件数は最盛時の約3分の1に減少し,透明度も上昇した.その一方で,漁獲量は減少を続け,近年は最大時1985年の約4割にまで低下している.このような状況に対して環境省は2015年瀬戸内法を改正し,瀬戸内海の環境保全目標を「きれいな海」から「豊かな海」へと転換した.これと並行して,2014―2018年度環境研究総合推進費による環境省戦略研究S13「持続可能な沿岸海域実現を目指した沿岸海域管理手法の開発」(研究代表者:柳哲雄)を実施した.本稿はS13の研究成果を元に「きれいで,豊かで,賑わいのある海」を実現するために必要な科学的知見を紹介する(柳編,2019)2)
キーワード:富栄養化,貧栄養化,ヒステリシス,栄養塩負荷,海草藻場
特集タイトル <持続可能な瀬戸内海は実現できるか>
特集のねらい